屋根の葺き替えは、屋根材をすべて新しくする工事です。そのため、どうしても「手間」と「費用」が大きくなります。費用を抑えられるカバー工法もあるのですが、すべての屋根に向いているわけではありません。
また、屋根の形状や使われている材料によって、かかる費用が変わってくるため、「適正費用」がわかりにくいのです。
とはいえ工事内容ごとの相場はおおよそ決まっているので、予算を立てるための判断材料としては有効です。
そこでこの記事では、以下の費用について詳しく解説します。
瓦屋根
スレート屋根
金属屋根
それぞれの特徴や耐用年数、葺き替えに適したタイミングもわかるようになっています。
目次
坪数ごとに見る屋根の葺き替え相場
坪数ごとに見る屋根の葺き替え相場は以下(表)のようになります。
坪数(延床) | 屋根面積 | 費用相場 |
20坪 | 約36.9㎡ | 約37〜85万円 |
25坪 | 約46.2㎡ | 約47〜106万円 |
30坪 | 約55.4㎡ | 約56〜127万円 |
35坪 | 約64.6㎡ | 約65〜147万円 |
40坪 | 約73.9㎡ | 約75〜170万円 |
45坪 | 約83.9㎡ | 約84〜193万円 |
50坪 | 約92.4㎡ | 約94〜213万円 |
55坪 | 約101.6㎡ | 約103〜234万円 |
※屋根の面積は、軒の出と勾配伸び率を考慮し、「1階の平米数×1.12」で計算しています。
上記の(表)は「切妻(きりずま)」というシンプルな形の三角屋根が基準です。そのため、屋根の形状が複雑になれば、面積も費用相場も変わってきます。
屋根材によって変わるので、詳しくは種類別の葺き替え費用をご覧ください。
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屋根の種類別の葺き替え施工単価
下記の(表)に屋根の種類別に葺き替え施工単価をまとめました。
瓦屋根に葺き替える場合
瓦屋根の葺き替え施工単価は、30坪の住宅であれば約75〜127万円になります。
内容 | 施工単価 |
本体工事 | 9,000〜15,000円/㎡ |
撤去費用 | 1,500〜3,000円/㎡ |
下地(野地板) | 2,000〜3,000円/㎡ |
防水シート | 800〜1,200円/㎡ |
足場 | 700〜900円/㎡ |
瓦屋根は、屋根の形状が複雑になればなるほど費用が高くなります。瓦の種類も豊富なので、費用が高くなることが多いです。
スレート屋根に葺き替える場合
スレート屋根の葺き替え施工単価は、30坪の住宅であれば約55〜89万円です。
内容 | 施工単価 |
本体工事 | 5,000〜8,000円/㎡ |
撤去費用 | 1,500〜3,000円/㎡ |
下地(野地板) | 2,000〜3,000円/㎡ |
防水シート | 800〜1,200円/㎡ |
足場 | 700〜900円/㎡ |
スレート屋根は、瓦や金属屋根に比べて葺き替えにかかる費用が抑えられます。近年は、アスベストの含まれていない化粧スレートが主流です。
金属屋根に葺き替える場合
金属屋根の葺き替え施工単価は、30坪の住宅であれば約63〜94万円になります。
内容 | 施工単価 |
本体工事 | 6,500〜9,000円/㎡ |
撤去費用 | 1,500〜3,000円/㎡ |
下地(野地板) | 2,000〜3,000円/㎡ |
防水シート | 800〜1,200円/㎡ |
足場 | 700〜900円/㎡ |
金属屋根への葺き替えには、ガルバリウム鋼板が使わることが多いです。耐久性が高いことから、コスパのいい屋根材として人気です。
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屋根に適した葺き替え時期はいつ?
それぞれの特徴や耐用年数を理解することで、葺き替えに適した時期を判断できます。
屋根材によって寿命が違うため多少の違いはあるのですが、おおよそ20年を目安に葺き替え工事をしたほうがよいでしょう。
瓦屋根の耐用年数・特徴
瓦の耐用年数は30〜60年です。釉薬(うわぐすり)が塗られている陶器瓦がよく使われています。
瓦1枚単位で交換できる優れたメンテナンス性、水や熱への耐久性は屋根材の中でもトップクラスです。
しかし、瓦の下に敷いてある防水シートが劣化してくるため、20年ほどで交換が必要です。
そこで有効なのが、下地と防水シートだけを交換し、瓦は再利用する「葺き直し」です。耐用年数の長い、瓦特有の工法です。
葺き直しは、修理分の瓦を用意するだけでいいので、葺き替えに比べて費用が安くなります。
スレート屋根の耐用年数・特徴
スレート屋根の耐用年数は15〜25年です。セメントと繊維を混ぜて形成されている板状の屋根材です。メーカーの商品名である「カラーベスト」や「コロニアル」と呼ばれることもあります。
瓦や金属屋根に比べると少し単価が安くなっているため、新築住宅に選ばれることが多いです。
2004年以降に製造されているスレートは、アスベストが含まれていないため安全性は高いのですが、その分強度が弱くなっています。
おおよそ15年もすれば、割れや反りが出てくるので、雨漏りする前に新しいスレートに葺き替えるのが望ましいです。
金属屋根の耐用年数・特徴
金属屋根の中でも、近頃の住宅によく使われている「ガルバリウム鋼板」であれば耐用年数は20〜30年です。素材に亜鉛やアルミが使われており、サビがでにくくなっています。「トタン屋根」とは別物です。
ステンレス製の屋根材もあるのですが、費用が高くなってしまうため、ガルバリウム鋼板のほうが住宅によく使われています。
金属屋根はとにかく重量が軽く耐震性に優れており、屋根の葺き替えで採用されることが多いです。
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屋根の葺き替えにかかる日数
屋根の葺き替えは早くて5日ほど、手間のかかる屋根なら10日以上かかります。
内容 | 日数 |
足場の設置 | 1日 |
屋根材の撤去 | 半日〜2日 |
下地の補修 | 半日〜2日 |
防水シート | 半日 |
屋根材の設置 | 1〜3日 |
足場の解体 | 1日 |
なかでも瓦屋根は、瓦をとめる下地の施工があるため、他の屋根材よりは日数がかかります。
また、どんな屋根材でも下地の状態によって補修方法も変わるので、日数は目安にしかなりません。長いときは、1つの現場に数週間かかることもあります。
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屋根の葺き替えが向いているのはどんなケース?
葺き替え最大のメリットは、現在使っている屋根の悩みを克服できることです。費用に見合った効果が得られます。
どんな屋根材だとしても、見えないところに危険が潜んでいるものです。葺き替えであれば、費用が高くなるものの、屋根材と下地さえ新しくすれば屋根が抱えている問題をほとんど解決できます。
下地の劣化が進んでいる場合
下地の劣化は、部分的に直したところで思ったような効果が得られません。なぜなら、屋根全体が同じように傷んでいるからです。
わかりやすいのが雨漏りです。経年劣化が原因であれば、部分的に修理しても数ヶ月にはまた別の場所から雨が入ってしまうケースが多いです。
倒木で屋根に強い衝撃が加わったなど、突発的な事故は別として、部分的に何か症状が出る場合は注意してください。
住宅の耐震性能を向上させたい
住宅の耐震性能を向上させるには、屋根の重量を軽くするのが効果的です。代表的なのが、瓦屋根から金属屋根に葺き替えする工事ですね。
瓦屋根のデメリットである「重量」を改善するには、葺き替え以外に方法はありません。
瓦屋根1㎡あたりの重量は「約45kg」なのに対し、金属屋根は同じ1㎡でも「約6kg」とかなり軽くなっています。また、瓦屋根には「瓦桟(かわらざん)」という木の下地も加わるため、重量の差がさらに広がります。
葺き替えとカバー工法の違いは?
カバー工法は屋根材を撤去せずに、そのまま新しい屋根材を施工していく工法です。解体費用がいらないだけではなく、屋根が2重になるため、断熱性や遮音性が高くなります。
解体せずに工事を進められるので、アスベストが使われている恐れのある屋根にも効果的です。
デメリットは以下のようになります。
瓦屋根は施工できない
下地の状態を確認できない
屋根の重量が重くなる
スレート屋根や金属屋根によく使われている工法です。メリットはあるものの、下地の劣化がひどい場合には使えない工法なので、万能ではありません。
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まとめ
屋根の葺き替え相場は以下(表)のようになります。
坪数(延床) | 屋根面積 | 費用相場 |
20坪 | 約36.9㎡ | 約37〜85万円 |
25坪 | 約46.2㎡ | 約47〜106万円 |
30坪 | 約55.4㎡ | 約56〜127万円 |
35坪 | 約64.6㎡ | 約65〜147万円 |
40坪 | 約73.9㎡ | 約75〜170万円 |
45坪 | 約83.9㎡ | 約84〜193万円 |
50坪 | 約92.4㎡ | 約94〜213万円 |
55坪 | 約101.6㎡ | 約103〜234万円 |
葺き替えは屋根材を交換するので、費用が高くなってしまいますが、屋根が抱えている問題を解決できる優れた工法です。
屋根材を変えることで耐震性や耐用年数が変わり、新築時と同じ状態に戻せるのが大きなメリットです。自分の家に適した屋根材を見つけることでメンテナンスも楽になります。
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記事の作成、監修・アドバイザー
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代表取締役 水野 力